断熱性・気密性と冷暖房計画
みなさん、こんにちは。株式会社後藤壮建築事務所の後藤壮です。読んで頂きありがとうございます。
このNoteは「これから家を建てたいな。」と考えている人に向けて、住まいづくりのヒントや自分の設計に対する考え方等を伝えるNoteです。多くの人にとって快適な住まいを手にする手助けになればと思います。
さて今回は私が特に意識している性能である「断熱性・気密性と冷暖房計画」をテーマにお話します。
住宅の「断熱性」をわかりやすく表現すると、家の中で快適温度で過ごすために必要な性能という様なものです。外は暑いけど、家に入ると冷房がよく効いていて快適♪寒い冬の夜、仕事から帰ってくると家の中が温かくてホッとする。なんて事はないでしょうか。住宅の外壁の中や屋根の中には断熱材というものが入っていて、熱が伝わりにくくしています。断熱材は身近なものでいうと発泡スチロールがよい例です。
魚市場で発泡スチロールの箱に鮮魚と氷が入っているのを目にした事があると思いますが、鮮度を保つために低温を保つ工夫です。私の設計では施工性と気密性を考慮して硬質ウレタンフォーム吹付断熱を基本としています。毎回外皮計算や一次エネルギー計算といった検証を行い、断熱性能を確認しています。体感する暮らし易さももちろんですが、毎月の高熱費にも影響する大事な性能です。
また「気密性」はC値と呼ばれる値で性能が表されます。分かり易く言うと家に「すき間」がどれくらいあるか、の様なものです。「すき間」があるとすき間風が吹いて足元が寒い、せっかく冷房しているのに冷やした空気が外に漏れていく。なんて事がおきます。高い断熱性をキープするために気密性は必要となります。では具体的にどんな設計・工事が必要かというと、壁の中に気密シート施工、コンセントは外壁側には設けないこと、設備配管貫通部に気密補強を施工するといった事を行います。
最後に「冷暖房計画」についてお話します。現在、冷暖房設備は引き渡し後にお施主様が家電屋さんにいって自ら手配することが主流かと思います。これはオーバースペックになる傾向があるため設計時に熱負荷計算を行い、適切な冷暖房計画を提案させて頂いています。ただこれは一般的な各部屋に一台ずつエアコンを設置する方式とは異なる為、採用されないケースももちろんあります。この空調方式については別の回で詳しく説明したいと思います。熱負荷計算とは、日差しの強い夏に窓からどれくらい熱が入ってくるか。又は寒い冬にどれくらい外壁を通して熱損失があるかといった計算を行います。損失を上回る性能を発揮できるエアコンを適した場所に配置すると、少ない台数で家全体を冷暖房することができます。
これらは全て目に見えないものであります。断熱性の認知度は高まっていますが気密性や冷暖房計画はまだまだ広がっていないのが実情です。目には見えない「風」や「空気」も意識して設計していきたいと考えています。
今回は基本性能のうち「断熱性と気密性と冷暖房計画」についてお話しました。
次回は「住宅を建てる土地」をテーマにお話したいと思います。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう。後藤壮でした。