後藤壮 建築事務所

私が家づくりで大切にしていること②

みなさん、こんにちは。株式会社後藤壮建築事務所の後藤壮です。読んで頂きありがとうございます。

このNoteは「これから家を建てたいな。」と考えている人に向けて、住まいづくりのヒントや自分の設計に対する考え方等を伝えるNoteです。多くの人にとって快適な住まいを手にする手助けになればと思います。
さて今回は私が家づくりで大切にしている事の内、「耐震性と防水性」をテーマにお話します。

「耐震性」は地震大国である日本においては非常に大切な基本性能です。私の住む東海地方は南海トラフ地震発生の恐れがあると以前から言われており、尚更重視している性能の一つです。その為、設計した住宅は全て「住宅性能診断士ホームズ君 構造EX(株式会社インテグラル)」というソフトを用いて構造計算を行っています。「構造計算って絶対行うものじゃないの?」と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。建物を建てる際、工事開始前に「建築確認申請」という申請を行うことが義務付けられています。分かり易く表現すると、違法建築物を建てない様にする審査の様なものです。しかし実は木造住宅の様な小規模建築物は「構造基準」において審査が省略されていて設計者に一任されている現状があります。「審査しないけど構造検討はしておいてくださいね」という状態なので、設計者の中には忙しいから、知識不足だからと構造検討をなんとなく行う方もいらっしゃると聞きます。住宅会社の営業さんで構造知識が詳しい方は稀だと感じています。以前、営業さんが描いたプランをチェックする機会がありましたが、一階と二階の柱のズレが多い。耐力壁が足りない。と指摘した経験があるからです。「それじゃお客様の要望を満足できない」と言われますが、長期的に考えると戸が開閉しにくくなる等不具合がでる可能性が高まります。「売れる家」と「いい家」は違うものなんだなぁと感じる時であります。私の場合、最初から構造架構を意識しながら設計するので、後から柱がズレているといった事はありません。壁をなくしたいと要望頂いた場合は他で補強をするか、難しければ間取りを再検討します。

「防水性」は字の通り「水」とくに「雨水」に対する性能です。これは外壁が雨に強い素材とかではなく、屋根形状のお話になります。屋根は太陽光や雨から家の中を守る耐久性を求められる部位です。最近は太陽光発電パネルを載せる事が多いのですが、屋根形状は南北傾斜の切妻を基本としています。勾配と軒もしっかりとります。軒がほぼない形状は雨仕舞がよくないので避けています。複雑な屋根形状は雨漏りリスクが高くなるのでシンプルに計画しています。また切妻屋根としている理由が屋根通気にあります。切妻屋根は軒裏等から外気が入り、屋根の一番高い棟部分で抜けるので屋根下地板(野地板といいます)が痛みにくいのです。通気ができていないと野地板が湿気で劣化しやすくなるため、将来改修する時に費用がかかってしまいます。また南傾斜屋根は太陽光発電の発電効率がよいというのも理由の一つです。
今回は私が家づくりで大切にしていることの内、「耐震性と防水性」についてお話しました。
次回は私が近年、特に意識している「断熱性と気密性と冷暖房計画」をテーマにお話したいと思います。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう。後藤壮でした。